ここ数ヶ月、天神山地区内で野良猫に関する困りごとについて自治会に相談されることが増えてきました。当初は個別に対応していましたが、困りごとは無くなるどころか増加の一途、個別対応にも限界を感じ、なにか良い対策はないだろうかと検討中です。
そのような状況のもと、まずは「知る」「聞く」「話す」から始めてみようか…ということで関係各所に相談したところ、『にじのはしスペイクリニック』から今回のような場を設けることを提案いただいて実施の運びとなった次第です。聴講者は17名、初回としてはまずまずでしょうか。
今日は、同クリニックから3名のスタッフに来ていただきましたが、このような問題を抱えている天神山地区の現状と今日の取り組みを春日市にも知ってほしい、認識を共有してもらいたいと請願したところ、春日市役所環境課から職員2名が陪席・聴講されました。
今後、この問題やその取り組みが、天神山地区でどのような広がりを見せ、活動がどのように進んでいくかは未知数、すべて手探り状態ですが、困りごとが現実に存在することについては真摯に向き合って行かなければならないと考えています。そのことについて、地域の方々のご理解のほどよろしくお願い致します。
地域猫とは、飼い猫でも野良猫でもない、その中間的な存在であるという基本的な知識から勉強になりました。野良猫が放置されている(管理されていない)がゆえに生じる諸問題を、管理飼育することで解決しようという取り組みが「地域猫活動」です。そこには「無制限な偏愛」も「冷徹な処断」もなく、原理原則より現実の問題解決を優先しようとする生活人にとって、あるいは自分の原因ではない困りごとにたまたま巻き込まれ逃げ場のない当事者になってしまった者にとって、「懊悩」の末に辿り着いた救済があるだけなのだと、認識を新たにしました。
講義では、猫の行動特性や繁殖特性、また犬との違いといった知識レベルの話から、増殖と餌やりとの因果関係を正しく捉え直すといった認識レベルの話まで広範多岐に亘って聞くことができました。質疑応答も活発で、自身の直面する実際の問題を相談される方、愛玩動物に対するものの見方・考え方といった根本認識に対する問題提起をされる方、自然界(野生種)の保存原理を踏まえての保護と増殖の背反関係に疑問を呈される方など、1時間の枠では収まり切れないぐらい有意義な時間となりました。これはひとえに、賛否はともかくこの問題に対する地域の皆さん認識の深さの現れなのだと思います。そのことを自治会としても正面から受け止め、様々な考え方の調和を図りながら最適解の模索を続けていきたいと思います。